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「頼むから…そんなこと言わないでよ…!離婚はまずいんだって!


 …このままだと俺、1人っきりになっちゃう…!」


「…どういう事?」


「父さんは…しばらく日本で立て直せって言うし…母さんは離婚するなら海外には絶対に行かせないって泣くし…頼むよ!


 モナにはA国で仕事が決まったら呼ぶからって言って納得させたんだよ…!」


 …家族全員(+恵理子さん)頭を抱えました…。


(やっぱりまだ別れてなかったんだ!)


「頼むよ!モナの家族を助けるためにも、A国に行くのはもう決まったことなんだよ!」


「いや…だから行けばいいじゃない…他人に頼らないで自分で何とかしなよ。自分で蒔いた種でしょ?」


「何でそんな冷たいこと言うんだよ!俺たち夫婦だろ?!頼むよ助けてくれよ!」


「よくもそんな…自分勝手なことが言えたものね…!」


 ワナワナと震える母を制して、私は最後の力を振り絞って…夫に話しかけました。


「あなたと私は確かに“夫婦だった”。でも夫婦は無条件で続けていけるものじゃないよね?


 …夫婦って…お互いに思いやりや尊敬がないと、簡単に他人以下になる関係だと私は思う。


 …そしてあなたと私は今、まさにそうじゃない?


 私はあなたの妻として、あなたの娘を養育するのに、あなたから何をして貰えた?」


「…あいか…?」


「物理的距離のある結婚生活だったんだから、あなたが子育てに参加出来なかったのは仕方ない。


 …でもさ、あなたは他に何をしてくれた?たかだか数万円で金銭的に援助していたと堂々と言える?」


「…ネットスーパーのアカウントだって渡してただろ!そこから使えば良かったじゃないか!」


「…あなた自分が気に入らないものは、勝手にキャンセルしてたじゃない…!」


「そうなんですか?!」


 そう…ずっと黙っていましたが、娘の水着や可愛いなと思った服、私の生活用品など、


 「届かないなあ?」と思っていたら夫に勝手に注文をキャンセルされていたのでした。


 …だから、結局最低限の消耗品以外は頼むのを止めてしまったのです。


「もちろんあなたの重婚も裏切りだし許せないよ?でも私があなたと離婚したい理由はそれだけじゃないの。


 私、もう、あなたという人間が嫌なの。嫌いな人間に利用されるなんて無理!」


「何だよそれ!誰のおかげで今だって暮らしていけてると思ってるんだよ!


 俺が俺の稼ぎを浪費させないようにするのが、そんなに責められる事か?!


 お前が馬鹿でやりくり出来ないでいるのを助けてやったんだろうが!」


「だからそう言うところだって言ってんだよ!」


 …夫の無茶な言い分に、私はとうとう噴火…!


「慎也がどういうつもりで重婚を継続させたいのかは知らないけどさ!私たち家族をもう巻き込まないで!」


 一度吹き出してしまったものは、後から後からさらに熱量を上げて湧き上がってきます!


「馬鹿だ馬鹿だと貶められるのももう嫌!あなたの都合で金銭的に苦労するのも嫌!


 …何よりも…あなたのおかげで生活出来てるとか感謝を強要される関係はもう、嫌なんだよ!」


「このっ!」


 夫は一瞬にして頭に血が上ったようです。反射的に殴られる!と思いました。その時…


「はいそこまでー!手をあげるのは流石に夫婦喧嘩の域を超えるんじゃないかなぁ?」 



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